スモーキー・ブルースカフェ

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寺山修司「書を捨てよ、町へ出よう」を読みました。 感想

Kindleにて読みまた。

寺山さんは「毛皮のマリー」の作者ということで知りまして、本書のタイトルに惹かれて購入。




感想


僕は寺山さんをこの作品でしか知らないのですが、イメージは天才、鬼才、変わり人etc…
個人的に惹かれるタイプの人という事は間違いなさそうです。
その多岐にわたる仕事っぷりから菊地成孔さんと重なる気もします。(芸風や人柄ではなく仕事の幅)

さて本書を読んでの感想ですが、端的に大変感銘を受けました。
評論集と分類されている本書ですが、彼の世に対する評論とでもいいましょうか。
もっと絞るなら男の生きっぷりに対する指南書とも取れます。

そして僕は読んでいて「そうだよな!」と共感することがとても多かったです。
以下幾つか気に入った項目を紹介します。

一点豪華主義のすすめ


これが本書のメインのメッセージとも言えます。
どういう事かというと、一般的なサラリーマンはどうしても金銭的余裕がなく平凡で平均的な生活に陥りがちだが、それではおもしろくない。
普段の食費や家賃を抑えてでも好きな車に乗ったり、好きな物を買って心に刺激と満足感を与えよう!!って事です。

今までこんな感じでスーパーカーや高いバイクに乗ってる人を見た事が有ります。彼らはとても幸福そうでした。
自分もいつだか「世の中はちょっと無理するとなんとか買える物に満ち溢れてるな。」って思った事が有ります。
上に書いたように生活を切り詰めてお金を貯めても良いですし、家や車みたいにローンを組んで時計や貴金属、カメラや家電を買うのも良い思います。
バイトして⚪︎⚪︎買うぞー!!なんてのは学生だけの特権ではありません。

とにかく何処かで負担を強いられてでも、何処かで突き抜けることによって得られす幸福感や満足感はとても重要だと思います。

勿論破産のススメなんてものではなく、自分の裁量の中でのやりくりのススメです。
タバコや酒を我慢してアイドルのライブに行くのも良いでしょう。
寺山さん曰く、今後の人生を計算して生涯年収までキッチリ出せちゃうような毎日じゃつまらない。何も起きないのが一番怖い!との事。

同じ毎日はつまらない様である意味安定してて居心地は悪くなかったりするもの。
一度客観的に自分の毎日を見つめてみると何か発見や突破口が見つかるかもしれません。

プレイボーイよりブレイボーイ


プレイボーイはちょっとした事で恋人達がへそを曲げたりするから大変だ。
沢山のレディー達に気を使って過ごす毎日は大変そうだと彼は言う。
そこで勧めるのが「プレイボーイならぬブレイボーイ」
ブレイボーイとは「ちょっと変わってるが自由に生きている人の事。」らしい。
どう考えてもノットプレイボーイだし間違いなく変人であろう自分の胸がどこかスッとした一文であった。

謡曲人間入門


人生の一場面一場面に歌謡曲のフレーズや歌詞が頭に浮かび、それを糧に苦難や壁を乗り越えるような人を歌謡曲人間というらしい。
これはきっとロックンロール人間だってラップ人間だって、ブルース人間だって良いのだと思う。
かくいう自分もこの寺山さんの影響を強く受けた志磨君の曲に心揺さぶられ、力を貰い、踏みださせて貰ったりしているロックンロール人間だ。

まとめ


好きな著名人の作品や言葉に感銘を受け、そうなりたい!と志す様な事はよくある。

しかし本書に限ってどこか自分を肯定されているような感覚に陥った。
なんて書くと自分が寺山さんのような破天荒な大物気取りのようだが、そうではなくこの時代(自分が生まれるより前に出版)特有の緩さや危うさが非常に心地良かった。
(因みに中には現代では間違いなくNGな章も有ります。)

なんでも完璧主義ではなく時に危うく、時にふざけたライフも良いではないか。
いやー、しかしこうして読むと寺山さんと志磨君の親和性は非常に高く、志磨君の作品に僕の心が揺さぶられちゃうのもしょうがないよね!と本書を通して実感しました。

さあ、特に同じ毎日に退屈するあなたにオススメです!!